2015年1月6日

~電気ブラン~(那覇ー羽田ー自宅 5JAN2015)

旅が終わりに近づき、群衆に呑み込まれるやいなや、I-podを四六時中、耳でかきならし、いつもの殻に閉じこもる。

那覇空港は人ごみでごった返し、羽田便は一日じゅう満席状態。そんな状況では搭乗時間を守れない輩が出没するのが世の常。30分も遅れてようやく那覇空港を飛び立つ。

羽田に着いて、足早にモノレールに駆け込む。新幹線をスマホで予約して、ほっと一息、面をあげると、乗客の顔、顔、顔、を夕日が照らし出していた。

いまにも泣きだしそうな子供をあやす母親。その隣りでコックリしてる父親。サングラスをかけて、鼻に小指を突っ込んでいるミウラジュンみたいなオバさん。座席が空いているのに立ったままで、車内をキョロキョロ見回している挙動不審なオッサン・・・・・。誰の顔も、哀しい色をしている。

雑踏の中では、何もみたくないし、聞きたくない。常々そう思ってきたが、ついつい心をゆるしそうになる。

浜松町で山手線に乗り換える。車内には、カラス色、スズメ色のコートの群衆。なんだか泣きたくなってきた。

「東京って、なんて、演歌なんだろう?」とふと思う。ドサまわりの果て、売れないままに妙齢を過ぎた女性歌手の唄う、コブシの強すぎる、ユウセンの、演歌。

俺のきらいな雑踏、安っぽいでき損ないのケモノたち、ヒトはみな愚かなるがゆえ、悲しく、愛しい。