北海道編(1/2) 宗谷岬〜苫小牧駅
浜頓別から反時計まわりに、ひたすら日本海沿いを走って函館まで。あるいは、稚内から時計まわりにオホーツク沿いを走り、根室、釧路、襟裳岬を経て苫小牧まで、二通りのルートを計画した。お盆休み真っ盛りの旅なので、それぞれのルート、約100km区切りに宿まで予約して、久々の長期休暇、出発を心待ちにしていた。
8月に入って、どうやらちょうど盆の時期に身内に不孝が起こりそうな気配になった。どうしたものか、と悩んでいる矢先、ちょうど出発に合わせて台風の到来予報。
気勢をそがれて、いったんは「行かない」と決め、全行程をキャンセルした旅だった。
「行かない」とは決めたものの、「行かない」なら、盆休みをどうすごしたらよいのかまるで分らない。
家にいれば、いら立つのは見え見えだったし、首都圏の渋滞に巻き込まれながら、近場をブラブラするなんて、考えただけでウンザリだった。
8月9日の朝、始業前に、未練がましくJALのサイトを覗くと、台風のせいで旅をキャンセルした人も多いのだろう、翌日の羽田ー稚内航路にまだ空席があった。
仕事をしながらも、飛行機の空席が気になってしかたない。オヤジがやって来て、「盆休みはどうするんだ・・・」と尋ねる。ブツブツと愚痴をこぼしていると、オヤジ曰く、「まあ、お前の旅の途中で、もし死ぬのがオレだったとしても、お前が帰ってくるとは期待せんがなあ・・・」。
その一言で決心が着いた。しばし仕事を中断、往路の飛行機を予約。昼休みになって、「じゃらん」を覗くと、数日前には空きなどなかったが、皆んな台風到来の予報でキャンセルしたのだろう、都合よく空きだらけだった。台風の通過も計算に入れて、稚内ー初山別ー留萌と宿を予約。残りの日程は成り行き次第。
あらかじめ宅急便で送る予定だった自転車をダンボール箱から引っ張りだし、輪行袋に詰める。
もう、旅の途中で訃報が入っても帰ってこない、と決心して旅立つことにした。行かなければ後悔し、これからの日々を苛立って過ごさなければならないのは目に見えていた。
旅が人生のすべてだ、とまでは言わない。でも、旅をしていないときの、日常の暮らしは、息苦しく、色彩がない。
DAY1 2014.08.10(日)
ANA 571羽田10:30 -> 稚内12:20
タクシーで宗谷岬「アルメリア」まで移動して自転車組み上げ
宗谷岬14:30
稚内全日空ホテルにC/in、荷物を置いて、野寒布岬を回る
南稚内はお祭りだった。
夕食はホテルの雲海。
部屋で一息ついて町をふらつき、ラーメン広宣。
ドーミーインには溢れんばかりのオートバイ。
稚内全日空ホテル 泊
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DAY2 2014.08.11(月)
台風通過のため、稚内に足止め
礼文・利尻航路も決行
駅前の北市場で土産を買い込み発送
ウニの塩水パックを買い、コンビニでワサビと醤油を買う。部屋でイッパイ。
夕食は今日も雲海。
稚内全日空ホテル 泊
DAY3 2014.08.12(火)
06:30起床、07:30出発
サロベツ原野線は台風吹き返しの向かい風(アメダス15m越)。
道中、おそろいTシャツの、大学生らしき二台のチャリが、追い風に吹かれ北行していたが、コイツラ、なぜか翌日も苫前あたりで、こちら南行、あちら北行ですれ違う。すれ違いざま、気恥ずかしそうに微笑んでいたが、どうやら風向きを見て、バスや列車で移動してから、追い風方向を選んで走っていたらしい。
ようやく手塩についたのが14:30。天塩の町の入り口のコンビニで昼食。時間が押しているので、のんきに飯食ってるヒマなんてない。
初山別着と同時に日没
しょさんべつ温泉 岬の湯 泊
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DAY4 2014.08.13(水)
10:00 初山別 発
足が昨日の疲れを引きずっていて重かった。「走れるかなあ?」なんて思いながら出発。走り出してしまえばなんのことはなく足は回る。
羽幌のフェリーターミナルで、焼尻・天売島にでも渡ろうか、とも考えたが、結局そのままオロロンラインを南下。
途中、何度か通り雨にあう。北海道のトラックは遠慮なく水しぶきをぶっかけて走り抜けてゆく。
3時過ぎにはあっさりと留萌着。港の周辺をふらついてからホテル到着。
ホテルニューホワイトハウス泊
コンビニでアルコール類を買い込み、薬局で湿布を買い、日暮れを待って開店と同時に丸喜寿司で夕食。
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DAY5 2014.08.14(木)
R233を北竜へ向かう。旅の出発前にキャンセルした予定では、このまま日本海沿いを走ることいていた。昨夕はオーベルジュ増毛泊の筈だった。R233はお盆時期交通量が多いので心配していたが、今は高速ができてガラガラだった。
今日は、ほろしん温泉ほたる館でゆっくりひと風呂、なんて考えていたが、峠下駅に分かれる交差点で気が変わって、ほたる館をドタキャン。このまま美唄まで走ることにした。
北竜・新十津川と抜け、滝川を過ぎて石狩川の堤防にでる。空知にでると道が自由に選べるようになったので、国道を避け、田舎道を走る。北竜あたりまでどんよりとした雲がかかっていたが、十津川あたりで晴れ間ものぞくようになってきた。
ここらの道端で一休みしていると、また小雨がぱらつきだした。スマホでJR北海道のサイトをチェックすると、17日発の北斗星(B個喫煙)とカシオペア(ツイン禁煙)が予約できた。合わせて明晩の苫小牧と、明後日の登別の宿(苫小牧ドーミーイン、登別ホテルゆもと登別)を予約する。
日暮れに美唄着。夕焼けがきれいで、いつまでも走っていたい気分になる。
ほたる館をキャンセルする前に、予定を1日前倒し連絡しておいたホテルスエヒロに着く。街をふらついた後、ファミリーレストラン仙中里で夕食。
ここで身内の訃報が届く。半ば予測はしていたが、万一の際にも、お盆のラッシュ時期なので帰らないつもりでいた。無理だろうと思い、スマホで飛行機の空席検索すると、16日のJAL千歳ー羽田便の、しかもファーストが、なぜか一席だけ空いていたので予約。その後の連絡で16日通夜、17日葬儀とのこと。正直、この時点では帰らずにまだ旅を続けようか悩んでいた。
ホテルスエヒロ 泊
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DAY6 2014.08.15(金)
朝05:30に美唄をでた。朝出発する時点では、もう明日の飛行機で北海道を離れることを決心していた。苫小牧から青森まではすでに走っているので、とりあえず宗谷から苫小牧までの線を繋げば、日本縦走のための目的は達成される。早めに苫小牧について自転車をパッキングし、ヤマトで送りだしてしまうつもりで、早朝出発した。
天気はどんよりとした曇り、岩見沢からはR234の側道を縫うように走り、昼前には苫小牧に着いてしまった。小雨がパラツク中、駅前の喫茶ドンドンで昼飯(ハンバーグだったっけ?)。その後、コンビニでガムテープを買い込んで、12時過ぎにはドーミーイン着。
ホテルに早すぎるC/IN。フロントでダンボールを買い、部屋の準備ができるのを待ちながら、玄関前でダンボールを切り貼りしながら、自転車をパッキング。ちょうどヤマトの集荷が来たので、160のダンボールとヤマト便の伝票を持っていないか尋ねたが持ってなかった。
パッキングの終わる頃、部屋の準備ができたとのこと。ニケ口にわけた自転車に宅急便伝票を貼り、フロントに預けて部屋に上がる。
シャワーを浴びたあと、名残惜しく寝台の予約を全てキャンセル。明晩の登別の宿もキャンセルし、代わりに大宮のパレスホテルを予約。
夕食は黒船亭。味とネタが落ちて、ガッカリ。全然美味しくない。多分二度と行かないだろう。いったんホテルに戻った後、ホテル裏手のTAKANASI(スペイン風バー)で一杯。
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DAY7 2015.08.16(土)
苫小牧発11時過ぎの特急で南千歳にでて、快速エアポートに乗り換え千歳空港に着。苫小牧駅前に二台の旅の自転車が止まっていた。自分の旅はこれで終わりなのに、彼らの夏はまだ続くのだ、と思うと、やるせなかった。
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JALのラウンジで、おかき好きの老夫婦に話しかけられながら、ハイボールを何杯も煽る。機内ではクォーターのワインを二本。シラフではいたくなかった。夕刻、大宮についてラーメンを食ってからパレスホテル入り。タクシーで斎場へ向かう。通夜のあと、再びホテルに戻り、ホテルのバーで夕食。